THE STORY BEFORE THE STORY
誰かに見せるつもりの
なかった物語を、世界へ。
2023年の夏。絵本をつくるつもりで描き始めた物語は、68枚の絵と10万5千文字を超える言葉になった。それから3年。原作・監督の井上勇人が、『Pocket Apricot』の始まりを振り返ります。
最初の物語を描いた夏
描いた絵
日本語の文字数
アニメーションへ
絵本をつくるつもりでした。
2023年の夏、突然、どうしても描きたい物語が浮かびました。当時の僕は、脚本家でも、作家でも、画家でもありません。マーケティング・ブランディングの会社を経営していました。
いつかアニメーションにしようと決めていたわけでも、誰かに見せる予定があったわけでもありません。ただ、自分の中にあるものを、物語として残しておきたかった。始まりは、それだけでした。

68枚の絵と、10万5千文字。
最初は、絵本を書くつもりでした。それが、描き終えてみると絵は68枚。文字数は10万5千文字を超えていました。思い描いていた「絵本」からは、ずいぶん大きくなっていました。
誰かのために書いたというより、僕自身の備忘録でした。あのときの自分が、心を込めて描いておきたかったもの。その物語を誰かに見せることもないまま、3年の月日が流れました。

最初から、世界に届けるための
物語だったわけではありません。

物語はそのままに、
僕の仕事が変わっていった。
その間に、いろいろなご縁がありました。TOKYO EPICの共同創業者・COOとして、仲間とともに生成AIを取り入れた映像制作や、オリジナルIPの事業に取り組むようになり、約2年が経ちます。
多くの方と連携しながら、時には脚本から、時には原作から、監督として30作品以上のアニメ映像に携わってきました。そして今、3年前に自分のために描いた物語を、アニメーションとして届ける機会をもらいました。
3年前の自分から、いまの僕へ。
作家でも脚本家でもなかった僕が、ただ作りたくて、自分のために作ったもの。それが今、仲間の手を借りながら、映像になっていく。振り返ると、その巡り合わせ自体が、この作品に込めた想いと重なっているようにも感じます。
3年前、自分のために残した物語が、いまの僕を次の場所へ連れてきてくれた。『Pocket Apricot』という名前にも、受け取った何かを携えて進む、そんな感覚を重ねています。
この旅を、あなたへ。
人と比べてしまう日も、うまく言葉にできない気持ちもある。そんなとき、誰かの物語の中に、自分に少し似たものが見つかることがあります。この子の旅も、見る人にとって、そういう時間になることがあるかもしれない。
何かの答えを受け取ってほしい、というよりも、まずは一緒に驚いたり、笑ったり、知らない世界を旅してもらえたら。その途中のどこかが、ふと自分の記憶に重なったらうれしいです。
自分のために描いた物語を、今度は、まだ会ったことのない誰かへ。2027年春から、エピソードを順次お届けする予定です。

Hayato Inoue
原作・監督
TOKYO EPIC 共同創業者・COO
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